Creating new industry through collective wisdom
~UNLOCK~
現在のフードシステムは、地球環境問題や安全保障に伴う食糧危機の高まり、健康への影響、所得格差がもたらす栄養課題など、様々な社会課題をはらんでいます。一方、食や料理は栄養面の充足にとどまらず、文化を育み、人を繋げ、生きがいまでをも創る重要な存在として進化を続けています。
このような「食に関する社会課題の解決」と、「食の多様な価値を開花」させていくことは、どちらか一方を選ぶという事ではなく、両立することを通じて前進していく関係であるべきだと、私たちは願います。こうした両立の実現のためには、さまざまな技術や叡智を結集して、時代にあった新しい食産業を、共に創り続けることが重要なのだと考えています。
SKS JAPANは、米国で創設されたグローバル・フードテック・サミット「SKS」の日本版として2017年に立ち上がりました。「食×テクノロジー&サイエンス」をテーマに、産業を超えて食の未来を描くことを目指し、あるべきフードシステムの未来像、多様な食の価値の本質の理解、そして共創をベースにした事業開発アプローチをテーマに議論を進めてまいりました。それ以来、SKS JAPANは米国のみならず、欧州、アジア、中東、南米にいたるまで世界中のフードイノベーターが集う場となっております。
実は日本のフードイノベーションに、世界中が関心を寄せています。非常に繊細かつ緻密な味の設計を実現する美味しさ設計・加工技術、発酵や精進料理はもとより海藻食文化・大豆食文化など日本が持つ食文化や伝統、家電やロボティクスといった機器開発の技術、日本の地域に存在する多様な食材・食習慣、そしてその食へのこだわりと創造性(時には魔改造力)に至るまで、食の知見とイノベーションを生み出す力に、注目が集まっています。実際に、5月16日-5月18日にスペイン・ビルバオで行われたフードテックカンファレンスであるFood 4 Futureでは、日本がパートナー国に選出されました。日本の食に備わる様々な価値は、現在のフードシステムの課題を解決し、人々の食体験をより良いものにするポテンシャルを持っているのではないかと、世界から期待されているのです。
開催6回目となるSKS JAPAN 2023は、「Unlock(アンロック)」をキーワードとし、フードテックに関わる様々なプレイヤーが創りだしてきた事業や製品・サービスを、組織・企業・業界・国といった枠を超えて進化させていくことを目指します。Global Foodtech Summitとして、プログラムには、国内外の様々な領域からの登壇者によるセッション、大企業からスタートアップまでが出展する展示、登壇者と会場参加者によるラウンドテーブルやネットワーキングディナーなどを組み込み、オンライン配信も予定。会場・オンラインともに、参加者が最先端のフードテック動向、製品、サービスに触れるとともに、各プレイヤーと繋がり意見を交わし、コラボレーションへと発展させていく機会を提供します。